
ラジオスターの悲劇を10年振り位に聴いたはなし
夜中のHuluがわるい
BGM替わりにMTVを垂れ流してたらすごくキャッチーなメロディと共に「アッワアッワ」という声が……
何年も聞いてないのに聞いた瞬間、「聞いたことあるぞ!!なんだっけこれ!」ってなる経験が最近多々あります。
技術が発達したおかげでShazamとかSoundHoundとかで一発で歌詞から曲情報までスマホに出てくるので便利になりましたね。
僕がこの曲を初めて聞いたのは大昔の天才てれびくんでした。その後原曲も聴いたみたいだけどそれについてはよく覚えていません。
ちなみに天てれ版も原曲の世界観壊した歌詞にはなってないから、割といいと思ってます。(ググればDailyMotionかなんかで出てくる)
時代を思い起こさせる歌詞
この曲が発表された1979年、それは米中の国交が始まり共通一次が始まり、スリーマイルの原発事故が起きて、サッチャーがイギリス首相になり、ウォークマンが発売され、ルパン三世 カリオストロの城が放送された年……らしい。
今から40年前、自分はいるわけもなく事実を読んで想像することくらいしか出来ませんが、悲しい歌詞を明るいメロディに乗せているこの曲のイントロで涙腺が緩むのはまちがいないです。
僕が生まれた96年当時かさかのぼること17年、2019年からみれば2002年という同じ17年という年月ですが21世紀の17年と20世紀の17年では、重み?密度?がいささか違う、そんな気がします。
歌詞の和訳に関してはこの方が非常に丁寧に翻訳されているので必読ですね。
Video Killed the Radio Star もしくはラジオスターの悲劇 (1979. The Buggles)
次は何が殺されるのか
Youtubeのコメントに
youtube killed the tv star
というコメントを残されている方がいて言い得て妙だなと思いました。たしかに、インターネット社会はいろんなものを過去に追いやって本質的ではない情報を無限にばらまいているような気がします。
しかし、その側面のほかに過去のものが掘り起こされ現在の新しい波としてなっていく場合もあるのではないかとも思います。
僕がHuluでMTVをみなければこうやって感傷に浸ることもなかったでしょうし、Vaporwaveの流行りで山下達郎や竹内まりやが外国人に知られはやることもなかったでしょう。
たしかに新しい技術は古いものを殺し追いやるのはまちがいないですが、うまくはまればRadio Starを再び表舞台に引っ張り出すことも可能です。
一個人が保存していた「情報」をインターネットを介して他人に開示することで過去を現在のものにできる、言い換えれば死者蘇生のようなことができると思います。
最近のCGやVR技術などで映像の中ですでに亡くなっている人間をあたかも実写をとらえたかのように表示できる技術も発達しましたし、そのうち声もほぼ完全にコピーできるようになるでしょう。
しかし、いくら疑似的に再現できてもそれは「本物」ではないと考えると、物事は非常に刹那的だなあと思います。
Radio StarがVTRにでてもそれはRadio Star本来の姿ではなくその時点ですでにTV Starになってしまうわけですから、TV StarがYoutube Starになるとそれは純粋なTV Starではないわけで、結局本当の意味でのRadio StarはやっぱりVideoにKillされてしまうというのもあながち間違っていないと。
歌詞の中でも、やはりVideoに対抗しようとしたという趣旨のお話が出てくるわけで、あまりやりすぎると原理主義みたいな頑固おやじにもなりかねないのですが、きっとこの物語のRadio Starは「なにか」を大事にしようと思ったんだろうなあと想像するわけです。
結局
自分、Bugglesのおじちゃんたち生きてるうちに生演奏聞きに行きたいです。はい。(ミーハーなので)